一人っ子の実家の片付けは、通える回数から決める

一人っ子の場合、きょうだいと分担できないぶん、判断も作業も費用も自分に集まります。最初に全部を自分でやると決めず、通える回数から逆算して、自分でやる範囲を決めてください。

親が元気なら、決めるのは親です。自分1人で判断する必要はありません。親が亡くなった後も、もう一方の親が健在なら、その親も相続人です。

一人っ子に負担が集まるところと、減らし方
集まる負担減らし方
判断迷う物は保留の箱に入れ、その日に決めません。親が元気なうちに、残したい物を聞いておきます。
作業重い物の運び出しなど、1人では危ない作業は最初から人に頼む前提にします。
気持ち写真や手紙は最後に回します。つらいときは友人や配偶者に一緒に来てもらいます。
費用交通費や処分費を記録します。親が元気なら、親と出どころを話しておきます。

通える回数別の進め方

帰省の回数が少ないほど、1回の目的を絞ります。下は目安の例です。

通える回数と、自分でやる範囲の例
通える回数自分でやる範囲の例
毎月通える部屋ごとに少しずつ進められます。粗大ごみは市町村の収集を毎回申し込み、大きな物も自分たちで出せる範囲で出します。
年に数回書類探しと仕分けを自分で行い、大きな家具の運び出しはまとめて頼みます。
年に1〜2回書類と思い出の品の確認に絞ります。残りは、訪問の見積もりに立ち会って頼む方法を考えます。
退去などの期限がある期限から逆算して、まず見積もりを取ります。自分は貴重品と残す物の確認に集中します。

片付ける順番は同じ

書類と貴重品、自分の荷物と通り道、台所や物置、押し入れや家具、最後に写真や手紙の順です。小さなごみから先に出すと、運び出しが楽になります。

実家の片付けの順番を詳しく読む

親が元気なうちに一人っ子が聞いておくこと

一人っ子は、後で「あれはどこ?」と聞ける相手がいません。親が亡くなった後に自分1人で探すことを考えて、話せるうちに次のことを聞いて控えておきます。一度に全部を聞かず、帰省のたびに1つずつで構いません。

  • 通帳、印鑑、権利書、保険証券の置き場所
  • 取引のある銀行、証券会社、保険会社。借入れや保証人になっているものの有無
  • 公共料金、携帯電話、定期購入など、毎月引き落とされている契約
  • スマートフォンやパソコンの開き方。写真や連絡先の残し方
  • 連絡してほしい親戚や友人、お世話になっているお寺
  • 残したい物と、譲りたい相手。家をどうしてほしいか

一人で決められないときの決め方

相談相手がいないと、全部その場で決めようとして手が止まります。先に決め方を決めておきます。

  • 捨てるか迷ったら保留の箱へ。箱に日付を書いて、半年後に見直す
  • 写真は残す枚数を決めず、全部を撮影してデータで残す方法もある
  • 価値が分からない物は、捨てる前に査定を頼む
  • 親の物は親に聞く。話せないときは、すぐに処分せず写真に残す
  • 親戚が欲しがりそうな品は、捨てる前に写真を送って聞く

物が多すぎて一人では無理だと感じたら

床が見えないほど物がある家や、害虫やにおいが出ている家を、1人で通いながら片付けるのは現実的ではありません。体を痛めたり、途中で止まって放置が長引いたりします。見積もりだけ取って、自分で進める場合と比べてみてください。

親が住み続けている家なら、片付けても元に戻ることがあります。物が増える背景に、体力の低下や認知症の心配があることもあるので、片付けより先に、親の暮らしを地域包括支援センターに相談する方法もあります。

実家の片付けがつらい、うんざりしたとき

親の老いや死に向き合いながら、自分の仕事や家庭もある中での作業です。つらくなるのは当然で、あなたの怠けではありません。話し相手がいないぶん、気持ちの負担も大きくなります。

期限がないなら、いったん止めて構いません。次は引き出し1つだけ、と小さく区切ります。期限があるなら、全部を自分でやろうとせず、運び出しなど体力を使う部分から人に任せます。親の暮らしが心配なときは、地域包括支援センターに相談できます。

一人っ子の相続で気をつけること

一人っ子でも、相続の手続きがなくなるわけではありません。片付けと関わるところだけ、整理します。

相続人が自分だけとは限らない

亡くなった親に配偶者がいれば、配偶者も相続人です。父か母のどちらかが亡くなったときは、もう一方の親と話し合って進めます。家の名義が祖父母のままになっていないかも確かめてください。

相続放棄を考えるなら、片付けの前に

借金がありそうなときは、自分のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、家庭裁判所へ相続放棄の申述をします。相続財産を処分すると放棄できなくなることがあるので、片付ける前に弁護士や司法書士へ相談してください。

子が全員放棄すると、次の順位の人、つまり亡くなった方の父母や祖父母、それもいなければ兄弟姉妹が相続人になります。一人っ子が放棄すると、親のきょうだいに話が移ることがあるので、あわせて相談してください。

費用は誰が払うか

親が元気なら親の家のことなので、親と話し合います。亡くなった後に相続人が自分だけなら、自分で判断することになります。相続放棄の可能性があるうちは、親の預金から払う前に専門家へ相談してください。

手続きの期限を詳しく読む

一人っ子の実家の片付けにかかる費用

自分で行う場合は、処分の手数料に加えて、帰省の交通費や宿泊費がかかります。通う回数が多いと、この費用が大きくなるので、頼む場合の見積もりと比べて考えてください。公開されている目安は次のとおりです。金額は物の量と搬出の条件で大きく変わります。

費用の目安の例(自分で行う場合:ブルークリーン/業者に頼む場合:みんなの遺品整理、2024年3月時点)
方法費用の目安
自分で行うごみ袋、粗大ごみの手数料、運搬費などで、数千円〜数万円程度の例があります。交通費や宿泊費は別です。
業者に頼む(2LDK)12万〜30万円の例があります。
業者に頼む(3LDK)17万〜50万円の例があります。
業者に頼む(4LDK以上)22万〜60万円の例があります。物が多い家では、これを超えることもあります。

一人っ子が業者に頼むときの分け方

全部を頼むか、全部を自分でやるかの二択ではありません。立ち会えない、話し合える相手がいないという事情があるからこそ、次のことを書面で確かめます。

  • 自分でやること(書類探し、残す物の確認)と、頼むこと(搬出、清掃など)を分けて伝える
  • 残す物に印をつけるか、先に運び出す
  • 立ち会える日と、立ち会えないときの確認方法を決める
  • 複数社から見積もりを取り、追加料金とキャンセル料を聞く
  • 運び出した物を、誰がどの方法で処分するのかを聞く

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