親が施設に入るとき実家の片付けはどうする?手順と、家を空にする前の注意点
親が施設に入るときは、全部を急いで片付けず、持っていく物と貴重品を先に決めます。持ち家か賃貸かで期限が変わり、家を貸すと税金の特例が使えなくなることもあります。手順と注意点をまとめました。
親が施設に入るとき、実家の片付けは何から始めるか
最初にするのは、入居先に持っていく物を決めることと、貴重品の管理を決めることです。持ち家なら、入居日までに家全体を片付ける必要はありません。賃貸なら解約日が期限になります。
片付ける物は、まだ親の持ち物です。親と話せる状態なら、親に確かめながら進めてください。
| 親の住まい | 期限と進め方 |
|---|---|
| 持ち家 | 入居日までに必要なのは、持っていく物の準備です。家全体の片付けは、家をどうするか決めてからで構いません。 |
| 賃貸 | 解約するまで家賃がかかるので、契約書で解約の予告期間と原状回復の条件を確かめ、退去日から逆算します。 |
| 配偶者が住み続ける | 住み続ける方の暮らしが優先です。入居する方の物だけを分け、それ以外は急いで動かしません。 |
親の施設入居に伴う片付けの手順
時間がないときは、1と2だけ入居日までに済ませれば、残りは後に回せます。
1.入居先に持ち込める物を聞く
持ち込める物の量や種類は、施設によって違います。家具、家電、貴重品、現金の扱いを聞き、部屋の広さと備え付けの物も確かめます。
2.持っていく物を親と選ぶ
普段使う衣類と身の回りの物に加えて、使い慣れた物や写真も相談します。部屋に入らない季節の衣類は、実家や家族の家に置き、季節ごとに入れ替える方法もあります。
3.貴重品と書類の管理を決める
施設に多くの貴重品は持ち込みにくいので、家に置いたままにしない物を親と決めます。誰が預かるのかを、きょうだいや家族にも伝えておきます。
- 通帳、キャッシュカード、印鑑、現金
- 権利書、固定資産税の通知書、保険証券、年金の書類
- 賃貸、公共料金、携帯電話、定期購入などの契約が分かる書類
- スマートフォンやパソコンのログイン情報の控え
4.家をどうするか話し合う
残す、売る、貸すのどれかで、片付ける範囲が変わります。この段階で全部を処分すると、後で困ることがあります。
5.残りを少しずつ仕分ける
家の今後が決まってから、残す、手放す、保留に分けます。親が戻る可能性があるなら、寝室や水回りなど、戻ったときに使う場所は残しておきます。
施設に入った親の家はどうするか
どれが正しいかは、親の資金、戻る可能性、家の状態で変わります。名義人は親なので、売却や賃貸は親の意思と判断能力が前提になります。
| 選択肢 | 片付けの範囲と注意点 |
|---|---|
| そのまま残す | 片付けは最小限で済みます。固定資産税、光熱費、保険、管理の手間は続きます。 |
| 売る | 入居費用に充てられます。どこまで片付けるかは売り方で変わるので、処分の前に不動産会社に聞きます。下の税金の期限も確かめます。 |
| 貸す | 家賃が入りますが、家財を出す必要があり、管理の担当も決めます。相続後の特例が使えなくなることがあります。 |
| 解体する | 土地の売却や活用につながります。解体費がかかるほか、税金の扱いが変わることがあるので、先に確かめます。 |
家を空にする前、貸す前に知っておきたい税金の特例
片付けの順番によっては、税金の特例に影響することがあります。どちらも条件が多いので、売る、貸す、解体する前に、税務署や税理士へ確かめてください。
親が生きているうちに売る場合
以前に住んでいた家を売るときは、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。ただし、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件のひとつです。親子や夫婦など特別な関係がある人への売却は対象になりません。入居が長くなると期限を過ぎることがあるので、入居した日を控えておきます。
親が亡くなった後に売る場合
相続した空き家を売るときの特例は、亡くなる直前に親が老人ホームなどに入っていた場合も、一定の要件で対象になります。国税庁が挙げる要件には、次のようなものがあります。
- 入居前に要介護認定や要支援認定などを受けていたこと
- 入居から亡くなる直前まで、家が親の物の保管などに使われていたこと
- その間、事業や貸付け、親以外の人の居住に使っていないこと
- 入居の直前に、親のほかに住んでいた人がいないこと
片付けで気をつけること
入居中に人へ貸したり、家族が住んだりすると、この特例を使えなくなる場合があります。また、親の物の保管に使われていたことが要件なので、全部を処分して空にする前に、税理士などへ相談すると安心です。特例を使わない方が合理的な場合もあります。
親が判断できないときの片付け
認知症などで本人が判断できないときも、親の物であることは変わりません。家族の判断で大量に処分すると、後で親族と揉めることがあります。まずは安全のために必要な範囲にとどめ、処分した物は写真で残します。
法務省は、判断能力が不十分な方は、不動産の管理や契約を自分で進めるのが難しい場合があると説明していて、支援する仕組みが成年後見制度です。家を売る必要があるときは、弁護士や司法書士、地域包括支援センターに相談してください。
空き家になった間に実家で確かめること
家を残すなら、次のことを決めておきます。管理されない空き家は傷みやすく、近所への影響も出ます。空家法にもとづいて市町村の勧告を受けると、固定資産税などの優遇を受けられなくなることがあります。
- 誰が、どのくらいの頻度で見に行くか。換気、通水、郵便物の確認を分担する
- 電気、ガス、水道を止めるか。止めると通水や換気扇が使えなくなる
- 火災保険の会社に、住まなくなることを伝えて補償を確かめる
- 庭木や雑草、ポストのチラシなど、外から見える部分を手入れする
- 生ごみや食品、傷みやすい物を残さない
親の施設入居に伴う片付けの費用
家の片付けを業者に頼む場合の目安は、公開されている例で、2LDKで12万〜30万円、3LDKで17万〜50万円です(みんなの遺品整理、2024年3月時点)。物の量や搬出条件で大きく変わるので、見積もりで確かめてください。
親の家の片付けなので、親の資金から出すことが多い費用です。親のお金を使うときは、親の同意を取り、領収書を残して、きょうだいにも伝えておきます。後で揉めるのを防げます。
堺市の実家を片付けるときの注意点
市の「ふれあいサポート収集」は、家の中から粗大ごみを運び出してもらえる制度ですが、市の案内では転居に伴う粗大ごみは対象になりません。施設への入居に伴う片付けに使えるかは、専用ダイヤル(072-273-2682)で確かめてください。
一度にたくさん出るときは、市の委託業者が収集する臨時ごみ(1トンまたは2立方メートルごとに8,800円)があります。収集車が横付けできる場所までは自分で運び出します。家の今後については、無料の堺市住宅専門家相談(住宅施策推進課 072-228-8215)が使えます。予約制で、相談日ごとに申込期間が決まっています。
よくある質問
持ち込めなかった物は、すぐに処分せず、家の今後が決まるまで実家に置いておけます。賃貸で退去するときは、親に確かめて、残す物だけ家族の家やトランクルームへ移し、残りを手放します。
